カーボンプライシング(CP)

カーボンプライシングとは

カーボンプライシングとは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量に価格を付けて、排出者の行動変容を促す政策手法のことです。

地球温暖化対策の切り札として注目される仕組み

カーボンプライシングは、地球温暖化が深刻化する中で生まれた政策手法で、「炭素に値段を付ける」という発想により、企業や個人が自発的にCO2排出を削減するインセンティブを生み出すことを目的としています。2024年4月時点で、炭素税は36の国と地域で、排出量取引制度は39の国と地域で導入されており、世界的な広がりを見せています。

具体的な手法は大きく「明示的カーボンプライシング」と「暗示的カーボンプライシング」の2つに分類されます。明示的カーボンプライシングには、CO2排出量に応じて直接課税する「炭素税」と、企業間で排出枠を売買する「排出量取引制度」があります。一方、暗示的カーボンプライシングには、化石燃料に課税する「エネルギー課税」や、再生可能エネルギーの普及を促す「固定価格買取制度(FIT)」などが含まれます。

日本では2012年から「地球温暖化対策のための税」として炭素税が導入されており、現在はCO2排出量1トンあたり289円が課税され、年間約2,500億円の税収を上げています。また、東京都や埼玉県では独自の排出量取引制度も運用されています。2023年2月には「成長志向型カーボンプライシング構想」が閣議決定され、規制と先行投資支援を組み合わせることで、排出削減と産業競争力強化を同時に実現する新たなアプローチが打ち出されています。

参考:
環境省|カーボンプライシング
資源エネルギー庁|脱炭素に向けて各国が取り組む「カーボンプライシング」とは?

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