系統用蓄電池ビジネスモデルとは?制度・取引市場・収益機会を解説

系統用蓄電池

はじめに

系統用蓄電池を活用したビジネスモデルが再生可能エネルギーの普及に伴い注目を集めています。多様な収益機会が広がる中、制度理解と戦略的な導入が成功の鍵を握ります。本記事では、需給調整市場、容量市場、需給調整市場、といった代表的なビジネスモデルから、補助金制度、導入コストの目安、参入支援の紹介までを網羅的に解説します。

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※あくまでシミュレーションによるものです。市場環境や電力取引価格の変動により、事業性が変動する可能性があります。将来にわたり、その内容を保証するものではありません。

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系統用蓄電池とは?その役割と注目される理由

系統用蓄電池の基本的な仕組み

系統全体の安定を支えるために、電力の過不足を調整する仕組みが必要です。そこで活用されているのが、大容量のエネルギーを一時的に蓄えることで需給バランスを整える蓄電池です。

発電過剰時(晴天の日中など)
「充電」して貯める
電力を系統から吸収し、無駄をなくす

需要増加時(夕方・夜間など)
「放電」して供給
不足分を放出し、安定供給を支える

発電量が多すぎるときに電気をため、需要が増えたときにその電気を放出することで、電力の無駄をなくし安定供給を支援します。

再エネと系統の不安定化という課題背景

再エネの普及に伴い、発電量が天候や時間帯に左右される不安定性が問題になっています。たとえば、日中は太陽光発電が大量に稼働していても、夕方になると一気に出力が減少します。発電と需要のタイミングが一致しないことが系統全体の不安定化を引き起こす原因となります。

⚠️
停電リスク:
送配電網に過度な電力が流れ込むと、周波数の乱れや電圧の不安定化が発生し、最悪の場合は大規模停電につながるリスクがあります。

こうした課題に対応するためには、変動する発電量を一時的に調整し、供給と需要をマッチさせる中間装置が必要です。その中で、蓄電機能を持つシステムは系統の安定化に極めて有効な解決策として位置づけられ、エネルギーインフラの未来を支える存在となっています。

なぜ今「系統用蓄電池」が注目されているのか

政府は日本の脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギー比率を2040年度には「4〜5割程度」まで引き上げる方針(第7次エネルギー基本計画)を掲げています。

太陽光発電などの再エネの出力変動への対応には、従来、火力発電の出力調整によって対応してきましたが、調整にも限界があり、特に日中の太陽光発電などによる余剰電力は捨てられていました

蓄電池は、今や再生可能エネルギーの普及・拡大に不可欠な要素となっております。

ビジネス的・インフラ的な3つの価値
1

需給調整機能: 再エネの変動を吸収し、捨てていた電力を有効活用。

2

新市場への参入: 国策で推進、収益機会の拡大。

3

脱炭素経営: ESG投資への対応や、インフラの一部としての社会貢献。
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系統用蓄電池の代表的なビジネスモデル

2022年5月の電気事業法改正にて10,000kW以上の系統用蓄電池から放電する事業は「発電事業」として扱われることになり、蓄電池を活用した市場取引が解禁されました。
「卸電力取引市場」「容量市場」「需給調整市場」という役割の異なる3つの市場があります。

卸電力市場(JEPX)

実際に発電・放電された「電気の量」そのものを取引する市場です。

取引される価値: 電力量(kWh価値)
取引の仕組み
安値時に買電
(再エネ余剰時など)
高値時に売電
(需要逼迫時など)
価格差が収益に

前日や当日の需要予測に基づきJEPXで取引。価格差(アービトラージ)が収益になります。天候等により1日数回の取引も可能です。

✔ メリット: 季節や天候に応じて、1日に複数回の効率的な充放電が可能。
▲ デメリット: 市場価格の変動や送電コストの影響を受ける。

容量市場

将来にわたって電力を供給できる「能力(ポテンシャル)」を取引する市場です。

取引される価値: 供給量(kW価値)
取引の仕組み【メインオークション】
取引タイミング
4年後の供給力を落札
発動要請時の対応
最大12回 / 連続3時間

将来の需給逼迫に備え、あらかじめ「放電できる状態」を維持。いざという時の供給指令に応じる対価として、固定費的な報酬が得られます。

✔ メリット:「いつでも放電できる準備(供給力)」を提供することで、実際に放電しなくても固定費的な収益を得られる。
▲ デメリット: 収益化が4年後と遅い。出力要請の発動タイミングが3時間前まで分からない。要請不履行時のペナルティリスク。

需給調整市場

電力系統の周波数を一定に保つため、短時間で細かく需給を調整する「制御能力」を取引します。

取引される価値: 調整力(ΔkW価値)
取引の仕組み
送配電事業者からの指令
秒〜分単位の「超高速応答」

電力系統の周波数が乱れた際、瞬時に充放電を行って安定化に寄与します。蓄電池の非常に高い応答速度が求められ、全ての時間帯が取引対象です。

✔ メリット: 全時間帯が対象。稼働率を高めて収益を積み上げやすい。
▲ デメリット: 要請不履行時のペナルティリスク。

運用には専門知識が必要になります。

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系統用蓄電池の参入事例

参入事例|鹿児島県「霧島蓄電所」

合同会社霧島蓄電所は、鹿児島県霧島市の系統用蓄電所の運営会社です。2024年6月に電力系統に連係。2025年4月より、一次調整市場の運転を開始しています。

名 称 霧島蓄電所
事業主体 合同会社霧島蓄電所

株式会社グリーンエナジー&カンパニー
日本エネルギー総合システム株式会社
合同会社DMM.com
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
所在地 鹿児島県霧島市
定格出力
1.99MW

定格容量
8.128MWh

完成時期 2024年6月

参入事例|千葉県「印西蓄電所」

印西蓄電所は、千葉県印西市にて株式会社グリーンエナジー&カンパニーの100%子会社である株式会社グリーンエナジー・プラスが受注、開発しました。東京電力管内の第一号案件です。

名 称 印西蓄電所
所在地 千葉県印西市
定格出力 1.99MW
定格容量 4MWh
完成時期 2025年3月

参入事例|福島県「福島二本松蓄電所」

福島二本松蓄電所は、福島県二本松市にて株式会社グリーンエナジー&カンパニーの100%子会社である株式会社グリーンエナジー・プラスが受注しました。

名 称 福島二本松蓄電所
所在地 福島県二本松市
定格出力 1.99MW
定格容量 8MWh
完成時期 2025年11月

投資判断に必要なコストとリスク

初期費用の目安と運用コスト

蓄電プロジェクトを成功させるには、導入時の巨大な初期投資だけでなく、長期的な運用コスト(OPEX)の精緻なシミュレーションが不可欠です。

初期導入費用(CAPEX)

1MWhあたり数千万円規模
  • 蓄電池本体・制御装置
  • PCS(パワーコンディショナー)
  • 設置・電気工事費
  • 消防設備・防災対策費用
運用・維持費用(OPEX)

長期安定稼働のための必須経費

  • 法定点検・保守点検費用
  • 遠隔監視・システム維持費
  • 市場連携・情報提供コスト
  • 蓄電セルの交換費用(経年劣化対応)
  • 保険費用

導入から収益化までの回収シミュレーション

一般的な投資回収期間の目安
5年〜10年程度

一般的に回収期間は5年から10年程度とされ、導入規模や運用方法、活用する制度によって変動します。
シミュレーションを行う際には、市場価格の変動幅や稼働率、補助金の有無を反映させ、現実的なキャッシュフローを描くことが重要です。

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制度変更や市場価格変動リスクへの備え

注意すべき3大リスク
① 制度変更リスク

需給調整・容量市場のルール改定やFIP制度の見直しによる収益構造の変化。

② 市場価格の不確実性

天候や需給状況による市場価格の乱高下。分散型の収益源確保が有効。

③ 法令遵守・管理リスク

電気事業法・消防法への不適合による運用停止や罰則といった経済的損失。

制度動向を常時チェックし、運用方針を柔軟に変更できる体制が成功の鍵となります。

今後の市場動向とビジネスチャンス


蓄電池市場は、100兆円規模になる見通し

EVの普及やデータセンターの増加など、電力需要の拡大に伴い、蓄電池市場は2050年に向けて、さらに成長拡大する見通しです。

脱炭素社会の実現に向けた世界的な投資加速により、系統用蓄電池ビジネスは今後、極めて有望な投資対象として注目されています。

【蓄電池の世界市場の推移予測】

蓄電池市場の推移予測グラフ

※(出所)IRENA、企業ヒアリング等を元に、経済規模は、車載用パック(グローバル)の単価を、2019年2万円/kWh→2030年1万円/kWh→2050年0.7万円/kWhとして試算。定置用は車載用の2倍の単価として試算。

系統用蓄電池ビジネス参入支援

脱炭素化の加速に伴い、電力網の安定化を担う「系統用蓄電池」への注目が高まっています。ビジネスチャンスが急速に拡大しています。

期待される収益化と「参入の壁」

3つの電力市場(卸電力・容量・需給調整市場)を通じた多角的な収益化が期待できる一方、事業者様の前には大きな障壁が存在します。

事業参入を阻む主な要因
複雑な専門知識

法制度や市場制度の深い理解が必要

長期運用リスク

20年以上にわたる設備の保守・管理

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当社は、用地開発から導入、そして運用までを一気通貫で担う体制で、貴社の参入を強力にサポートします。

STEP 01
用地開発
STEP 02
導入・施工
STEP 03
安定運用
補助金活用も含めたトータルサポート

上場企業グループとしての強み


高い透明性と信頼性

上場企業グループならではの厳格なコンプライアンスと透明性の高い運営体制。20年先まで安心して任せられる経営基盤が、事業の安定性を支えます。


収益最大化の追求

最新の市場動向に即した運用戦略と、効率的なコスト管理により、投資対効果の最大化を実現。貴社の確実な事業参入を後押しします。

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2025/04/21系統用蓄電池ビジネスモデルとは?制度・取引市場・収益機会を解説

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