EPC

EPCとは

EPCとは、設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)の3工程を一括して請け負う契約方式で、大規模なプラントやインフラプロジェクトにおいて「電源をONにするカギを回すだけ」で稼働可能な完成設備を提供する「フルターンキー契約」として広く採用されています。

EPCの仕組みと国際標準

EPC契約は、プロジェクト・ファイナンス(大型プロジェクトの資金調達手法)における主要契約として、プロジェクト事業会社と建設請負会社間で締結されます。請負業者は基礎設計から詳細設計、物流・輸送を含む調達、電気・機械・土木工事、さらにテスト・試運転まで全工程の責任を負い、保証された価格と工期で指定性能レベルの設備を提供する義務があります。要件不履行時には通常、請負業者が金銭的負債を負うリスク配分構造となっています。

国際的には、FIDIC(国際コンサルティングエンジニア連盟)のシルバーブック「EPC/turnkey」として標準化されており、地域によって異なる略語慣行があります。EPCC(エンジニアリング、調達、建設および試運転)はカタールなどで、EPIC(エンジニアリング、調達、取付&試運転)はペルシャ湾岸諸国で、LSTK(一括ターンキー)はサウジアラビア王国で一般的に使用されており、これらはすべて同じタイプの契約形態を指します。

近年では、メガソーラーなどの再生可能エネルギープロジェクトでEPC契約方式が急速に増加しています。これは新規産業の発掘や構想段階からの参画戦略により、エネルギー・プラント事業などの多様な産業分野で顧客の多様なニーズに対応する包括的なエンジニアリング事業として発展しています。類似するEPCM契約との重要な違いは、EPCが完成品提供責任を負う請負契約である一方、EPCMはクライアント代理として管理サービスのみを提供する契約である点です。

参考:
Wikipedia-EPC契約
日経BP – メガソーラーにおけるEPC契約の解説


EPC