GHGとは、Greenhouse Gas(温室効果ガス)の略称で、地球表面から放射される赤外線の一部を吸収し大気中に留めることで温室効果をもたらす気体のことです。
温室効果ガスは、1997年採択の京都議定書で排出削減対象として7種類が指定されています。当初の6種(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄)に、2013年の第二約束期間から三フッ化窒素が追加されました。環境省の2020年度速報値によると、日本の温室効果ガス総排出量は11億4,900万トンで、このうち二酸化炭素が90.8%を占めています。
日本では2006年から「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づき、一定規模以上の事業者(特定排出者)にGHG排出量の算定・報告を義務付ける制度(SHK制度)が運用されています。2022年からは原則的に「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)」での報告が必要となりました。報告では「エネルギー起源CO₂」と「6.5ガス(非エネルギー起源CO₂、メタン、一酸化二窒素、代替フロン4種)」に区分されます。
政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル(実質排出ゼロ)」を宣言し、2030年度までに2013年度比46%削減する目標を設定しました。これを受け、ESG投資の普及により、企業の自主的なGHG排出量算定・削減取組みが加速しています。大手企業では自社排出量だけでなく、サプライチェーン全体(Scope3)の排出量把握まで進んでおり、中小企業においても環境省提供のガイドラインを活用した排出量把握が求められています。
GHG