GX(グリーントランスフォーメーション)

GX(グリーントランスフォーメーション)とは

GX(グリーントランスフォーメーション)とは、化石燃料中心の産業・社会構造をクリーンエネルギー中心の構造に転換し、温室効果ガス削減と経済成長を同時に実現する経済社会システム全体の変革への取り組みです。

GXの背景と国家戦略としての位置づけ

GXが注目される背景には、2020年10月の菅首相(当時)による「2050年カーボンニュートラル宣言」があります。さらに2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、エネルギー安全保障上の問題が改めて認識され、化石エネルギーからの脱却が急務となりました。従来は環境対策と経済成長が対立する関係と捉えられていましたが、GXでは両者を「同時実現」する新しいアプローチとして位置づけられています。

政府は2022年7月に岸田総理を議長とする「GX実行会議」を設置し、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。この基本方針では、10年間で150兆円超の官民GX投資を実現するため、「GX経済移行債」を活用した20兆円規模の支援策、段階的なカーボンプライシングの導入、新たな金融手法の活用という3つの柱を打ち出しています。

実際の企業事例として、大手電機メーカーでは「カーボンニュートラル」と「サーキュラーエコノミー」を両輪とするGX戦略を推進し、2030年までに全事業会社のCO2排出量実質ゼロを目標に設定する取り組みが見られます。また、自動車業界大手では「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」として、製品の製造から廃棄まで全工程でのCO2削減に取り組む事例があります。このように、GXは国家戦略として位置づけられ、政府・企業・国民が一体となって推進する社会変革プロジェクトとして具体的な成果を上げ始めています。

参考:
経済産業省「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」
GXリーグ公式WEBサイト

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